YAMAHA F6CMHですが、まさか・・・・
皆様、ご機嫌はいかがでしょうか?
FMラジオを聴きながら仕事をしているのですが、
今日は木曜なのに年末特番なのか
いつもは土曜の番組が放送されていて、
曜日感覚がおかしくなりそうな私です。
さて昨日、YAMAHA F6Cの修理のご依頼の電話がありました。
年をまたぐ修理のお預かりは「年明けにしてください」と
皆さんにお願いしているのですが、
「チョークを引いたままにしないとエンストする」ということで
多分、キャブレターOHで直ると思ったのでお預かりしました。
このモデル、アンダーカウル内に
「ミニプライマリーポンプ」がついています。
これはインテグラル(頭上)タンクのみで使用するとき、
タンク~キャブレター間の燃料を素早く送る為でしょうか?
キャブレターの上に見慣れないものが・・・
外すと、パイロットスクリューのようです。
(正規の位置にもちゃんと別のパイロットスクリューは
ちゃんと付いています。)
「変ったところに付いているな」
オーナー様に電話して聞くと、脱落してなくなっていたので
ご自分で取り付けたとか?
よくわからない?ので
YAMAHA船外機でわからないことが有るときに
良く助けていただくベテランメカニックYさんに
画像をメールしたら
「Hさん、そこにはなにも付いていないはずです」と・・・
危ないところです。
まるで私を困らせる罠のようではありませんか。
キャブレターを外して分解しますが、
「んっ、思ったほど汚れていないぞ」
とりあえず再度キャブレターを仮組みして
エンジンを掛けてみます。
エンジンはなんと15回目!のリコイルで何とかかりましたが、
話の通りチョークを戻すと「プスン」とエンスト・・・
むっちゃくちゃ調子が悪いではありませんか。
チョークを引いたままだからか、2ストロークを
試運転したあとのように油が浮いて真っ黒です。
喫水線あたりは真っ黒ですから、有る期間、
かなり調子が悪かったと推測します!
これだけ不調なのだから圧縮は最悪のはずだ・・・と計測しますが、
(ベテランYさんに聞くと700kpaが基準値とのことで)
900kpaもあるので、絶好調です・・・
私の体がズブズブとぬかるみの世界に沈んでいく音が
耳元で聞こえて来そうです。
パニックの頭を冷やす意味もあり、
サーモスタットを点検すると
「あれっ」
少し開いてます。
外して良く見ると
小石が挟まっています。
結構挟まっていました。
開いたままだとオーバークールになるので、
調子が悪くなるかもしれません。
でも、これが根本的な原因とは思えないし・・・
ヤマハでは過去に見た記憶は無いのですが、
ほかに診るところもなくなってきたので
フライホイールのキーが飛んでいないか確認します。
大丈夫ですね・・・
「俺、ひょっとして6馬力が直せないのかも・・」
意気消沈のまま、ベテランYさんにアドバイス求むの
メールをして、その日は終わったのでした・・・
本日、ベテランYさんからのアドバイスで
ギヤケース上のエクステンション内の
ブッシングの傷みを確認するため
ギヤケース等を外して確認しますが
ブッシング(カットレスベアリング)は
問題ありません。
教えてもらったデーターですべてチェックしますが、
問題なし・・・
消去法で診る箇所が全部消えてしまいました・・・
いや・・・
たった一つのこったのは・・
「ガソリン!!!」
急いでギヤケースを再度組立て、各部ガスケットや
パッキン類再使用なんですが仮組の状態にして
キャブレターや燃料ホース内に残ったガソリンを
きれいに抜いた後、
当社の試運転ガソリンの〇ネオスのハイオクで
スターターロープを引っ張ると一発で
「ブロロロロロロ~」と簡単に始動。
燃料は一応、においなど確認したのですが、
軽油のような匂いや
なま温いような温度の感じが無かったので
大丈夫と思っていたのですが。
冷却水の検水口が度々止まります。
ピンで突くと、また出るのではありますが。
おそらくエンジン内にも小石がいくらかあると
思います。
(お客様にお伝えし、様子を見ていただくことに
なりました)
サーモスタットを掃除したので、温度は
きっちり管理できています。
右がタンクから抜いたガソリン?で、左が当社の試運転ガソリンです。
決して色だけで見分けられるものではありませんが、
少し、透明すぎるような・・・
お電話でGASスタンドの伝票を確認していただくと
過去に他県で給油したときの伝票に
「灯油」というのが発見されたとのことでした。
(業務使用だったので伝票が残っていたようです)
灯油だったら軽油独特の臭いもしないはずです。
さすがのYAMAHA船外機も灯油では走りません。
試運転バケツが真っ黒だったのも、チョークをもどすと
エンストしたのも、いっぺんに謎が解決しました。
エンジン内部もこれと同じように
灯油の燃えカス(燃えずカスかな)で
ベチョベチョです。
今年最後の修理には、他県のガソリンスタンドさんが
仕掛けた罠があったのでした。
ベテランYさんの助言が無かったら
私は悶々とした年末年始を過ごしたかも知れません。
年明けに部品が届いたら、正規に組み立てて
完了の予定です。
よかった・・・・・・・・・(汗)
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