TOHATSU M9.8Bの点検を慎重にしたんです。
皆様、ご機嫌はいかがでしょうか?
先日、M9.8Bが定期健診で入院されました。
オーナー様は、ボートの昇降場所で知り合った方に
弊社を紹介いただいたとのことで・・・
どなたか知りませんが、
「ご紹介有難うございました。」
オーナー様は大変慎重な方で、消耗品の交換は当然で、
その他も私のほうが「そこまでしなくてもよいのでは」と
言ってしまったほど、いろいろ診てほしいと・・・
では、「糸を巻いたことがある」と言っておられたプロペラから・・
ありゃ・・・
ピロ~ンとはみ出ています。
でも、スラストワッシャが取れません。
で、耳元で悪魔が「見なかったことにしたら」と誘惑するのを
ガン無視して・・・・
プロペラシャフトホルダーごとはずしまして・・・
んっ、0.×t?
無事、外れました・・・
オーナー様、PEではなくナイロンでした。
ちゃんとグリスを塗りましょう。
でないとそのうち、プロペラも外れなくなりますよ!
お次はインペラー交換のため、ギヤケースをはずします。
TOHATSU特有のピンの結合をはずします。
この方式、私は好きです。
次にギヤケースのボルトをはずします。
初めてのインペラ交換の割には、塩カミがないです。
オーナー様使用毎にバケツで塩抜きしていたそうですが、
証明されました。
これで、ギヤケースが外れます。
さきほどプロペラシャフトホルダーをはずしたので、
ギヤケースの内圧を測っておきます。
ちゃんと保持できるので、OKです。
ポンプケースのボルトが、塩で固着寸前でした。
硬くてヒヤヒヤしましたよ。
やはり固着の防止の意味も含めて、
1~2年毎には分解してほしいものです。
インペラーは欠けは無くて、無事でしたが、
シワシワでした。
こういう紙のガスケットは、毎回必ず交換しましょう。
若いころ、インペラだけ交換していた私は、○○社製○×馬力でえらい目にあってから、
必ず変えます。
水が漏れると、オーバーヒートすることがあります。
念のため。
組むときは、コーキングや耐水グリスを塗って、
必ず塩噛みの対策を・・・・
私は「グリスA」です。
慎重なオーナー様なので、圧縮も計って置きました。
これは1番シリンダーです。
これは2番です。
数値もまあまあですし、両方の差が0.1kg/cm2なので、
ベストコンディションですね。
「まだいけるのでは?」と申し上げましたが、
オーナー様のご意向で、リコイルスターターロープを交換しました。
慎重な方、大好きです。
最終の試運転です。
絶好調~です。
「旦那、お背中をお流しいたしましょう~」
もともときれいなエンジンでしたが、
もっときれいになりました、M9.8B君。
診察、終了で~っす。
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