皆様、メリークリスマスで御座います。

怒涛の忘年会期間が先週で無事？過ぎ去り

肝臓も財布も瀕死の私です。

でも、先輩をはじめ普段お世話になっている多くの方に

逆に「ゴチ」して頂だいたケースもあって、

この場をかりて？お礼申し上げます。

先日、テストパーツをお貸しした同業者様より

そのパーツの返品と共にお菓子を頂きました。

あわせてお礼の手紙まで・・・大変恐縮で御座います。

さて、先日、業者様の依頼でBF90DK2の点検整備に行ってきました。

買取されて、再販前の総合的な整備をしてほしいとのことです。

まずはプロペラチェックです。

グリスがカサカサになっていますが糸巻きなどの異常は

ありません。

今回は再販前整備なので、

次の購入者の購入意欲を削ぐことになりかねない細かい消耗品類は

迷ったら交換することが多いです。

BF90DのようにX足でエクステンションを使っているものは

写真のように長いスタッドボルトを使っている物が多いです。

耐水グリスをたっぷり塗ってから組み付けましょう。

新しい船外機のポンプケースには小さい穴が開いていて

エンジンを停止後に内部に海水が溜まらないように

工夫されています。

それらの海水は最終的にケース横に開いている穴から

外部に排出されます。

ギヤオイルはきれいでした。

燃料フィルターも交換です。（低圧側）

ダイレクトイグニッションを外す前に

番号を打っておきます。

4番プラグはサイドカウルの一部が外せて

交換できます。

新品プラグと外したスパークプラグ。

4本ともきれいに異常なく焼けていました。

ちょうど交換時期だったかな？

前にも書きましたが最新の高性能高圧縮の船外機は

スパークプラグにかじり止め専用グリスを塗ってから

締め付けてください。

でないと次に緩まず、折れたり・・・南無！

よそのマリーナでオイルのぶちまけミスを防ぐため

90％以上はポンプで抜いています。

で、最後に堆積物も出したいので、下抜きします。

エンジンオイルのドレンボルト用パッキン（アルミワッシャ）は

交換毎に必ず新品を使いましょう。

船外機のグリスニップル部には必ず定期的にグリスアップを

しましょう。

固着して首振りできなくなってからでは遅いです。

磨耗してガタガタになってからでも、遅いです。

ホンダ船外機には2つのサーモスタットが入っていて（50℃、60℃）

別々にシリンダーヘッドとブロックを冷却しています。

これはホンダ船外機の耐久性の高い秘密のひとつで、

2系統で精密に温度管理することと、

詰まりやサーモスタットの故障の場合で1系統トラぶっても

もう1つの通路は温度管理できるためエンジンへのダメージを

軽減できる可能性があります。

BF115D～150Aのサーモスタットは上の突起の数が

2個か3個かで見た目で区別できますが、

BF75D～BF100Aは、50℃も60℃どちらも突起が2つで

ペイントの有無での判断となります。

ベーパーセパレーターのガソリンを抜いてみて

燃料の汚れや水の浸入をチェックします。

何年も使っていない船外機はガソリンが腐って

セパレーター分解清掃が必要なときもあります。

水が入っていたら、燃圧チェックをすることになり、

最悪の場合、高圧ポンプの交換に至る事もあります。

3年以上使っていたらスロットルボディーの清掃は

したほうが良いかもしれません。

今回も少し汚れていました。

汚れがひどくなると、アイドル回転が不安定に

なってくる場合があります。

私はBF90Dが大好きですが、HONDA船外機にしてはめずらしく

コンパクトにまとまりすぎている箇所が各所にあり、

整備するのに手順やコツが必要？なケースがあります。

（他の馬力は、個人的な意見ですが、誰でも分解整備しやすい様な

スペースを多く取ってあるイメージ）

EACVを外すときも、正攻法はインテークマニホールドを

外しての清掃となりますが、

私は給油口を外します。

なので、給油口のOリングも手配して持って行きます。

スロットルボディーがピカピカニ掃除できました。

これで次に買う方もしばらくは調子よく使えるでしょう。

スロットルボディーは日本の誇る気化器メーカーの

「MIKUNI(ミクニ）」製です。

EACV（エレクトリックアイドルエアーコントロールバルブ）は

これも日本の誇る「KEIHIN（ケイヒン）」製です。

日本が世界に誇るクルマと同じクオリティーの部品が使用されています。

高くても、日本の部品を使うんです！

PTT（パワートリム＆チルト）の作動油の

リザーブタンクの残量を確認します。

今回は思ったより減っていました。

画像以外でも、インペラーの交換、各部チェック、

錆止めなどのタッチアップ、汚れの除去などを行います。

最後に、試運転を行います。

絶好調です。

トリムメーターも作動OK

タコメーターOK

オイルインジケーターOK

オーバーヒートインジケーターOK

ついでにGPSのチャックもして、過去の航跡も

消去しておきました。

これだけ全体的に整備しておけば、中古艇といえども

しばらくはノントラブルで使えること間違いなし。

買っていきなり消耗品の交換をすることもないし、

それら交換しないことで発生するトラブルに見舞われる

危険性も非常に低いので

非常に安心です。

以上が、「個人売買や●●オークション」と「有名中古販売会社」で購入する

大きな差といえます。

今回の依頼先は

http://www.resort-marine.jp/

でした。

皆様、ボートを買うなら一か八かの買い方はせず、

ちゃんと整備しているお店で買ってください。

宜しくお願いしま～す。