Honda BF225A6の続きと、またME2.0Eが入ってきました・・・
皆様ご機嫌はいかがでしょうか。
本日は朝から、バスボート高速ドライバーさんがご来店され、
琉球泡盛を頂戴してしまいました。
ご本人の顔写真入りの貴重な泡盛です。
沖縄の風を感じながらいただくことにします。
さて、先日に続き、またMercury ME2.0Eがやってきました。
「1万ぐらいで直ると思うよ」と知人からもらったとのことですが・・・
インペラーは無事なのに、インペラーの破片が水管に
刺さっていました。
スパークプラグに水が付いて錆びています。
水は爆発しません。
シリンダーにピストンリングの錆びた痕がついていますね。
やっぱりシリンダーヘッドガスケットが抜けております。
お客様の前でギヤケースを外し、インペラーを
見ようとしますが、ボルトが2本塩害で外れません。
「折ってもいいですか」とお客様が言われますが、
やめてくださいと、お帰りになられてから作業を開始しました。
折ると先日の同型のように「地獄の作業」になるので
ボルトの頭を飛ばして、ポンプケースを助けます。
プロペラを外すと、この世のものとは思えないほど
ラインを巻き込んでいます。
多分、私がみた中で上位3位内に入る量です。
ギヤケースの分解に入ります。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ」
ジーパン刑事より大声で叫んでしまいました。
ギヤケース内部に、船外機ギヤオイルではなく、
2-4-Cグリスが満タンに入っているでは無いですか!
なんでこんなことになっているのでしょうか???
「ライン巻きにも負けず、グリスにも負けず」
無事、折らずにボルトを救出しました。
塩害バリバリで真っ白です。
アルミ+ステンレスは注意が必要なんです。
仮組みして圧力テストをします。
塩害でベースが固着しているので、ボルト無しで
テストしますが、圧モレモレです。
で、水が入っていたので、かわりにグリスを入れたのかな?
「あああああぁ」
ここにもグリスがいます。
悪いところだらけなので、もっと分解しないと
見積が書けません。
もう気絶するぐらいバラバラです。
修理しないと言われたら、分解/見積代をいくらもらおうか
悩んでおります。
インペラー故障→破片とらずインペラーだけ交換→
海水上がらずオーバーヒート→高温でヘッドが歪んでガスケット抜け→
シリンダー内に海水噴射→スパークプラグとシリンダー、ピストンリング錆びる→
ポンプケースボルトに塩害処理せず→ボルト固着?かな。
この分解に掛かった時間でBF225AK3なら消耗品を交換できますね。
明日、また悩みながら見積をしたいと思います。
お次は先日、時間切れで帰ったボート販売業者さんの
中古艇再販前整備のBF225A6の整備の続きです。
バーチカルシャフトのブッシュ(カットレスベアリング)が
ちびっていたので、交換しました。
挿入時はまっすぐ入るか、心配でしたが・・・
結構うまくいきました。
このブッシングは寿命の長~い消耗品です。
5年~8年ぐらいで交換をする場合もあります。
(使用回数などでも変ります)
プロペラシャフトには新しいグリスを塗布してください。
ボルトが折れていましたので、修理します。
6mmのボルトに、3/4/5mmと順に穴を広げますが、
センターからずれると「地獄」なので、
すごく緊張して作業をします。
ステンレスに亜鉛メッキのボルトなので、
ハンドドリル作業は「地獄の綱渡り」です。
丁寧に、丁寧に時間をかけて作業します。
お客様に聞いたのですが、どこかのお店は
「ねじ山修正ん万円」らしいですが、
私も、できればそれぐらい欲しい!
無事、修正完了です。
何百万の中古艇なのに、ボルトが折れたままって、
ジジ臭いですもんね。
このお店の社長さんは、もともと海保にもいたことがあるので
海のことには妥協しません。
http://www.resort-marine.jp/stock/
私も叱られないように、見逃しがないように
真剣に作業を行います。
もう一箇所、折れていました。
前のオーナーさんが折っちゃったんでしょうね。
部品をエンジンから外し、ねじ山を修正します。
ここもステンレス&亜鉛メッキですわ~(泣)
この2箇所で貴重な時間を大量に消費しますが、
中古艇全体のクオリティーを落とすことを見逃しできませんので
がんばりました。
お次はエンジン内部アノード交換します。
まず右側・・・
陸置き艇だったようですが、アノードが溶けて、
塩もこびりついています。
次は左側です。
こちらも、ちょうど交換どきだったようですね。
225馬力のセットされている25~28ftクラスは、
新艇で結構高額なボートなので社長さんクラスが買われるケースが多いですが、
数年ですぐ乗り換えるつもりで乗っておられる方が多いので、
あまり普段から重整備されません。
なので、下取りをしたボート販売店の器量が試されます。
整備していないのを次に買ってしまうと、
前オーナーの負の遺産を引き継いだようなものです。
しかも、中古は保証なし・・・
お店は・・・・・選ぶことが出来ますよ!
右左両方外れました。
細部まで丁寧にこびりついた塩や汚れを落として、
最後にO2センサーを外して濡らさないように注意して
ゴシゴシ水洗いします。
アノードを交換したら、慎重に取り付けます。
ここはトルクレンチを使わないと、恐いです。
今回はセルモーターとフライホイールの
確認もしました。
一切錆無し、ピカピカでしたよ。
エンジン全体の整備が終了しました。
お次は船体側の燃料フィルターなどのチェックを実施します。
少々細かなゴミが入っていたので、清掃しました。
次回、海上試運転が終わったら、完璧終了です。
多分、すぐに売れてしまうんしょうね。
ここまでやったんですから、超安心で~す。
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