アノードを換えないと、高くつくんですわ!
皆さんにアノードの重要さをわかってほしいので、
あえてブログに書いていますが、
製造者を攻撃する意図は全くありませんので、
メーカー名は書いておりません、今回。
使い方の問題です、今回。
勘違いされないように、お願い申し上げます。
このエンジン、電気腐食が原因で軽いある症状を起こし、
エンジン内部に海水が浸入してしまいました。
オーナーが初期段階で私に相談してくれたので、
助かりそうですが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これ、エンジンブロックに入っていた防食亜鉛です・・・・
全然交換しないので、溶けてほとんど残っていません。
ある意味、自殺行為です。
このオーナー様は係留保管ですが、ほぼ毎回、
水道ホースをつないで水洗いはされていました。
使用後の塩分除去は大切ですが、
走行中に起こる電気腐食は、アノード(亜鉛)を交換しないと、
防ぐことが出来ないと、私は考えています。
結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
バラバラバラ・・・・・・
さらにバラバラ・・・ああ・・・クランクシャフトとメタルの間に水が・・・・
・・・都市伝説の類ですが、水没した船外機を修理するとき、
完全分解水分除去をせず、オイル交換で「うがい」だけで済ますと、
「寿命は3年だ」と、業者仲間では言ってます。
過去に、お客様が「頼むから『うがい』だけで安くすませて」と
どうしてもというので、
「どうなっても知りませんよ」と、3~4回オイル「うがい」交換で済ませた
水没機ありましたが・・・
ああ、過去形を使ってしまいました、お察しください。
コネクティングロッドの大端部の内部も・・・
このまま長時間動いていたら、傷が付いてクランクシャフトが
焼きついたかも・・・
幸い、傷は付いていません。
助かりました。
クランクシャフトをはずすと・・・・
水没機の修理の工賃は、非常に高いですが、
全部バラバラにして、細部まで水分を除去して、
再度組んでいきます。
とある資料では、このエンジンの水没時の
オーバーホール時間は、15時間と書いてあります。
ああっ、ぶっ続けでやっても、丸二日かかりっきりです。
昼間は、いろいろな、うれしいご注文やお問合せのお電話や、
ありがたいご来店の対応などしておりますので、
いつも、私の修理がフルスロットルになるのは
夕方以降です。
昨日は、22:00に心が折れて、帰路に付きました。
オーナー様、「今週中に間に合うかな」と電話ありましたが、
ここまでバラバラになっているのは、想像できているのかな?
業務使用者さんがオーナーだったら、お店にもよりますが、
年式の古い船外機だったり、
今後のことを考えたり、休業中の未収入を考えると
新品をお勧めされる場合も多い症例かもしれません。
えっとオーナー様・・・あのう・・・今週中・・・・・
絶対ムリですわ!
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