HONDA BF2用新型プロペラが入荷した!と、BF2Dの遠心クラッチは安全装置付?
皆様、ご機嫌はいかがでしょうか?
昨年より、ずう~っと在庫切れを起こしておりましたBF2用の
新型プロペラですが、やっと入ってきました。(嬉)
いつも入荷しても、ほとんどが御世話になっています業者様に
送ったら、うちの分は少ししかなくてすぐ完売になっていました。
うちの修理センターにも、今週中に入ってくる予定です。
バックオーダーになっていた岡山の業者様にも、早速出荷となりました。
岡山市近郊でこのプロペラにご興味のある方は↓
http://ameblo.jp/boatproshop-jin/
さて、HONDA BF2Dのクラッチは、船外機には珍しく
「遠心クラッチ」というシステムを使っております。
このシステム、単に「片手で操作できる」だけがメリットでは御座いません。
というと・・・・
(以下、私の個人的な考え方です。ご了承ください。)
通常のBF2D以外の船外機は「ドッククラッチ」というシステムです。
どういったものかというと、「ツメとツメをドッキングさせる」ような
システムです。
前進ギア、及び後進ギアにツメがあり、それにクラッチのツメが
引っかかって「ガッチリ」とドッキングします。
左がBF9.9Dの前進ギヤで、歯車の内側に、3つのツメがありますね。
右がクラッチで、こちらも3つのツメが付いています。
この「3つのツメ同士」がドッキングして動力を伝達しています。
これ↑、ドッキング前のイメージ。
これが「ドッキング」すると・・・・「前進~」
これが↑、前進でドッキング状態です。
以上が「ドッククラッチ」の仕組みですが、
BF2Dの誇る遠心クラッチは・・・・↓
左が、シャフト側についている「アウター」で、
右がクランクシャフト側に付いている「クラッチシュー」です。
原付バイクと同じような仕組みで、エンジンが回転をし、
BF2Dは全開では6000rpmまで回るのですが、その回転が
2000rpmを越えると、遠心力で「クラッチシュー」が外側に
開いていき、「アウター」にくっついて「クランクシャフト」からの
動力を「バーチカルシャフト」に伝達します。
実際の部品の配置はこれ↑ で、遠心力で
数ミリ広がれば、「ドッキング」です。
で、メリットの話ですが、ドッグクラッチの「ツメとツメ」の場合、
「ガッチリ」とつながっていますので、プロペラを海底の岩に
したかかにヒットさせたりすると、力を逃がす部分が無いので、
エンストしない限りプロペラや、最悪ギヤの歯が壊れたりするのですが、
遠心クラッチはぶつけたとき少し「ずるっ」と力を逃がしますし、
さらには操縦者が「ぶつけた」と認識してスロットルを戻したとたん、
クラッチはすっと縮んで動力が切れて衝撃を緩和させます。
言ってみれば「安全装置」が付いているようなシステムです。
このシステムは、遠浅の浜辺などから出航することの多い
ミニボートでは、ギヤなどが守られてすごく助かっていると思われます。
(でも、底を掻くとプロペラがガサガサになって揚力が無くなり
スピードダウンしますので、ご注意ください)
藻の多い琵琶湖のレンタルボートのほとんどがBF2Dなのも、
これで納得できます。
なので、お客様が
「どこにもぶつけた覚えが無いのにシャーピンが折れた」と
ご来店されたとき、私を含めた業者の皆様は遠心クラッチの仕組みを
ご存知なので、心の中で「本当かな~」と思っているかも知れません(笑)
(冗談です↑ 流木がすごく運の悪い当たり方をしたら、折れるでしょう)
でも、この安全装置、メーカーさんが「売り」にしているわけでは
ありません。
もったいないので、ご説明させていただきましたが、
狙って作っているのはないと思うので、
何Kgの力で作動するかの資料もありません。
でも、BF2Dの耐久性を高めるのに、すごく
助かっていると思っています。
HONDAさんらしさが随所に隠されたホンダ船外機。
2馬力にも惜しみなく、隠されていま~す。
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