黒いオイルは好きではありません。
皆様、ご機嫌はいかがでしょうか。
春がすぐ近くまでやってきているからか、
シーズン前点検の出張作業の依頼がぽつぽつ入りだしました。
おそらく3月に入ったら、いつも通り4月末のGWまでの
バタバタ大忙しの時期に入るのでしょうか。
さて、EU16iとMercury ME30EMLHの続き~仕上げです。
EU16iは多くの発電機のトラブルのパターンより
キャブレターのコテコテ/ネバネバを修理したら直ると
思っていたら、ズボッと落とし穴に、
見事に落ちました。
忙しくてもちゃんと圧縮を測ったりしないといけないと、
反省しております。
圧縮ありません・・・。
船外機と違って発電機は発電部分と常時つながっており、
リコイルしたとき、常に重みを感じるので、
腕の感覚で圧縮の低下を感じにくいです、私。
バルブまたはピストンリングのトラブルなので
正攻法ならバラバラ分解ですが、
軽い症状ならエンジンさえ掛けられれば、
徐々に復活することもあります。
裏技を駆使して駆使して駆使して、何とか始動できました。
エコスロットルを「入る」にすると止まるので
全開で運転のまま20分ほど放置します。
そのあと止めて、再度圧縮計測・・・
少し戻ってきました。
比率がピストンリング≧バルブの悪化って感じのパターン
だったのかな。
発電機はギュッと詰まっていて分解/組立てに時間が掛かり、
全部バラバラにすると時間もお金もかかるので、
もう少しこの方法に期待します・・・・
繰り返し、圧縮が規定値付近まで復活してきて、
何とかWOT4320rpm/エコT3050~3200rpm付近で
安定するようになりました。
なんとか全バラせずに直りましたので、
仕上げにエンジンオイルを交換・・・・うわっ、真っ黒!
まあ、発電機は大方こんな感じでしょうか?
フラッシングをするために試運転をはさみ、
2回オイル交換をしました。
完了です。
お次はMercury ME30EMHLの点検です。
オーナー様、特に「インペラー交換」を希望されていましたが、
試運転では一応見た目普通に、冷却水は上がっていました。
分解します。
あっ、プレートの下にインペラーの破片があります。
羽根が1枚千切れていて、数枚千切れかけていました。
ギリギリ間に合いました。
オーナー様、予知していたのでしょうか?
最後にギヤオイルを交換します。
ああ、真っ黒です。いや、Mercuryのプレミアムプラスギヤオイルが
入っている場合は濃紺色なので、
よく確認しないと汚れていると勘違いする場合があります。
あぁ~普通のギヤオイルと思われます。
なら、かなり長期間ギヤオイル交換しなかった
のかもしれません。
ワタクシ黒い、汚れたオイルは好きではありません。
汚れに混じっている黒色は金属と金属の接触により
削れて出来た鉄粉も一部混じっています。
その鉄粉が今度はヤスリの歯のように
ギヤやベアリングやシャフトやクラッチの爪や
ピストンやシリンダーやオイルシールに襲い掛かります。
不純物が混じり、さらに長期間の熱による劣化で
粘度が無くなったオイルは、磨耗を低減できません。
オイル交換はエンジンの寿命に関わる重要なポイントです。
取説どおりに交換しましょう。
削れて隙間の出来てしまった
ギヤやベアリングやシャフトやクラッチの爪や
ピストンやシリンダーやオイルシールは、
交換しないと元には戻りません。
宜しくお願いしま~す。
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