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身代わり

皆さま、お元気でしょうか?

私は元気です。

なんと昨晩、お酒を飲まずに寝れました。

今晩はどうでしょうか?

さて、船外機には「防蝕亜鉛」という、腐食を「緩和」させる

亜鉛(アノードメタル)が付いています。

なぜかということを、超簡単に説明しますと、

海は微量の電気を帯びていて、船外機も電気点火なので同様です。

その電気同士がぶつかり合うと、船外機本体のアルミニウム合金から

その合金を構成する元素の一部が海へ逃げていき(置換)

アルミがアルミでなくなっていく=電気腐食を起こします。

私達修理屋さん間の情報交換やメーカーさんからの教えから

得た知識では、高温であるほど電気腐食は起こりやすく、

2スト時代より4スト時代になってからの方が冷却水温を

高めでコントロールしているので、昔より今のほうが

船外機のエンジン内部での腐食は起こりやすくなっています。

但し1つ電気腐食を大幅に緩和させる方法があって、

アルミニウムより電気的に弱い亜鉛を要所に取りつけ

犠牲にして身代わりに電気腐食させることで、アルミの

腐食が大幅に抑制されます。

一昨日出張整備に行きましたHonda BF50DK4です。

親切にもインテークマニホールドの間にツマミ状のキャップが

付いていて、45度ほど回すと外れてアノードメタルの点検や交換が

簡単にできます。

まだ交換の必要はないですね。

キャップを戻すときは必ずOリングにグリスを塗ってから

締めてくださいね。

Oリングをはさんで水漏れのまま走っていると、

エンジンが塩水を吸気して、バルブが錆びたりして壊れます。

想像もしたくないですね。

反対側の排気管のウォータージャケットに付いている方は

6mmのボルトを1本外すとキャップを開けて確認、交換できます。

Oリングにグリスを塗るのはもちろん、適度な時期で交換もしてください。

私はOリングはアノードの交換と同時に実施します。

次はBF75DK0です。

現在のBF75DK4は上記の50馬力同様、交換キャップが付いているのですが

DK0は排気ウォータージャケットカバーをガバッと外して

交換します。

何とか係留保管でも交換できますね。

この75馬力は陸上保管ですが、思ったよりアノードメタルが減っています。

真水洗いがうまくできていないかもしれません。

交換しておきますわ。

太平洋戦争で活躍した水上飛行機には機体と同じジュラルミン合金(アルミの親戚)の

下駄(フロート)が付いてるのですが、当時は今より電気腐食の知識が少なく、

戦地ではかなり苦労したと読んだことが有ります。

誰かタイムスリップの機会がありましたら、ぜひ

「フロートに亜鉛を付けたらマシになるよ」と

教えてあげてください。

あと、身代わりにしている亜鉛がボロボロになって消えて

身代わりが居なくなるとどうなるのかは

言わなくてもわかると思いますので

「エンジンオイル白濁してる~どうしよう~」という前に

定期的に身代わり亜鉛を新品に交換してください。

本日はこの辺で・・・

 

 

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