販売前中古艇のHONDA BF225A6の重整備
皆様ご機嫌は如何でしょうか?
梅雨が開けた昨日と本日、中古艇搭載のBF225A6の
販売前の整備のご依頼で出張作業に行って来ました。
消耗品の交換とバルブクリアランス調整だけでも1日では無理ですが、
スピードの低下の検証など、色々な点検ご依頼も有り、
2日作業日をいただいていました。
炎天下に精密な作業をしてミスをするといけないので、
4:00に起きて現地に7:15に着き、ご依頼業者に無理を言って
7:30より作業をさせていただきます。
まず、ギヤオイルを抜いている間に、緊張する
タイミングベルトの交換をします。
「ベルト替えときますか」と言っても
「まだいい」とか言われるケースが多い中、
ここの業者の社長さんはいつも自主的に「交換」です。
ここで中古艇を買うお客様は本当に安心ですね。
「内部アノード」も交換のご依頼です。
楽はさせてもらえませんが、後々安心ですね。
とっくに交換時期は過ぎていた感じで、
防食亜鉛を触ると、ボロボロ砕けていきます。
「恐っ・・・」
排気管の冷却通路の中に、塩の詰まりがところどころ
ありました。
きれいに掃除します。
「アイドリングが若干不安定」とのご依頼があったので、
タペット調整「バルブクリアランス調整」を実施します。
排気側はものすごくクリアランスが詰まっていました。
これだけ詰まっていたら、確かにアイドル不調になるかも
知れませんね。
燃料フィルターも交換します。
左(緑)使用前、右(黒)使用後です・・・・・。
機械は普段からメンテナンスをしないと調子の良さを維持できません。
エンジンオイル量7.6リットル(私は7リットルしか入れませんが)の
ところ、8.1リットル入っていましたので、
想像は出来ていましたが・・・・
スロボ真っ黒クロスケです。
これじゃぁ、色々都合が悪かったでしょう。
エンジンオイルを多く入れる・・・
自身で不調を招いているようなものです。
キャブレタークリーナーが使えないので、
必死でていねいに、ふき取り掃除します。
「ああ、そろそろ日が高くなってきたぞ」
工具を触ると、ブルース・リーのように
「熱ちょ~」と言って投げ捨ててしまいます。
かといって、整備中に不測のトラブルの発見も
あるかも知れません。
昼休憩を30分で済ませ、続きを行います。
「あ~壊れている~」
可変長管バルブが塩で固着しています。
炎天下、分解してスムーズに動くように
整備をします。
工具箱にドライバーを取りに行ったのに
なぜかモンキーを持って帰ってきたりします。
この中古ボートには同時作業で磨き屋さんも作業で
入っていて、2人がかりで船体をバフ掛けされています。
その業者さんに「そのツナギ(ホンダマリン夏用ツナギ)
紺色で熱そうですね」と言われたので、
「実は、これ最新型のメッシュツナギで、これ着てから
夏は他の着れないぐらい涼しいです」とスケスケをお見せすると
感心されていました。
この暑さ、普通の綿ツナギなら、もう耐えられないでしょう。
その他、サーモスタットやインペラー、外部アノード、
スパークプラグを交換しました。
(↓交換した部品類です)
その他細かなトラブルの発見、解消を繰り返し、
日没直前の19:00に作業を終わりました。
「Hさん、泊まるのなら行くよ!?」と
夜のお食事会の?お誘いを受けますが、
まだ試運転前で不調解消がされているか未確認ですので
何かあったらいけないので、おとなしく帰りました。
(2日酔いでは良い仕事できませんし・・・加減知らずも海の掟?)
翌朝は8:00に到着し、作業の掃除をしたあと
マリーナOPENの9:00にマリントラベラーで下架していただき
暖気が終わったあと、依頼業者社長様の運転で
確認をします。
BF225A6は、非常に静かにアイドル運転をしています。
社長様に「如何ですか」と聞くと、
「うん、静かになってる・・前と違う」とのことで、
ほんの少し手応えを感じながら、デッドスローで
水路を出て行きます。
マリーナを出たあと、海が静かなのを確認し、
徐々にスロットルがオープンになっていきます。
4500rpm付近を過ぎた後、エンジンのうなり声が変り
VTECが作動したのが確認できました。
いつもは運転しているのでなかなか聞けませんが
今日はエンジンの隣に居るので久ぶりです。
WOTで34.5Knot出ました。
このボートのカタログデーターでは新艇時にMAX36Knotですが
船底塗装や各種艤装追加による重量増を考えると、
まずまずの出来です。
「完全に直っとるわ・・・」とのお言葉をいただきました。
よほど整備前には色々不調だったのでしょう。
買い取ったあと回航したそうで、
そのときと比較されていました。
一旦停止後、今後はガバッとスロットルを開けていただき
発進します。
新品のプロペラがほんの少し空転して「ごぼごぼ」言いながら
もてあましたトルクでホイールスピン後の猛ダッシュのように加速し、
可変長管バルブが正常に作動しているのも確認できました。
2日目は無事に半日で終わりました。
さて新品当時の性能を取り戻したBF225A6
後日船体や内装の整備が終わったらここの会社で
販売されます。(今はまだですよ)
せっかく大金を出して中古のボートを買うのなら、
船体もエンジンもきっちり整備している
業者さんから買いましょう~。
♪夏だぜ~
スロットルボディの清掃には、ワコーズから販売されている
スロットルボディクリーナーを使うと簡単にきれいに汚れを落とせますよ。
このクリーナーはスロットルボディのモリリブデンコートに影響を与えないようにされてますので。
小南様、コメント有難う御座います。マニュアルで拭き取り清掃を指示されているのですが
モリブデンコーティングが溶けないなら、吹きつけ出来ますね。
情報有難う御座いました。