衝撃を受けたMFS9.8Bのキャブレターと、 悩ましいBF2D6のギヤオイル・・・
皆様ご機嫌はいかがでしょうか。
正月気分も抜け、忙しくされておられるでしょうか?
弊社にも新しい船外機の注文や修理の持込が
続いております。
昨日の新品ご注文は兵庫県のお得意様から。
そして修理の持ち込みはTohatsu MFS9.8Bです。
始動テストをすると、エンジンが中速域で拭けっぱなしで回転が
アイドルまで落ちません。
調べると、横に強く倒れた衝撃でカウル越しにキャブレターの
シャフト(写真下の黒い横棒)を右側から左方へ強く叩いたようで
内部の弁が変形し、隙間からの空気の流入が増えてしまって
混合比率が薄くなっていたのでした。
単品部品の設定が無く、キャブレターASSY交換になるのですが、
高額になるので少し、あがいてみました。
シャフトの穴もおかしくなっていたので、修正します。
倒した衝撃でスロットルのリンケージもゆがんで
スムーズに動きません。
一旦吹かすと低速まで戻らないのです。
はずしてみたら、このようにゆがんでました。
単品パーツの設定が無いので、本来ならここで
キャブレターASSYの注文ですが、
他の部品取りできるものが無いか探します。
Hondaのキャブレター(KEIHINキャブレター)の部品取りは
たくさんあるのですがこのキャブレターは「テイケイ気化器」製で
Honda船外機では使われておらず・・・・・・
「あった・・・」
他社製2馬力のキャブレターがテイケイ気化器でした。
早速部品を外して流用します。
穴径などは広げて修正します。
ジェットも詰まっていました。
色々やってかなり改善したのですが、弁の隙間は
どうしようもなく、アイドリングで回転のムラが
出てしまいます。
オーナー様に説明し、一旦もち返られました。
さて、キャブレターASSY交換されますでしょうか?
お次は昨年末から継続中のBF2D6です。
急がないということだったので、お言葉に甘えて
ゆっくり作業しております。
購入以来1度もショップで点検してもらったことがないのでと
お持込です。
燃料タンクに水ははいっていませんでしたが、
鉄粉などが入ってフィルターが汚れていました。
この年式はバルブカバーが錆びることがあり、
このエンジンも錆びていたので、伝えると
交換をしてほしいとの事なので作業実施します。
ボルトも錆びていたので逆タップで外します。
BF2DH以降このボルトは錆びないものになりました。
当然、このBF2D6も錆びない最新のボルトと交換しておきます。
久しぶりに排気管の取付ボルトが折れました。
以前は分解時、かなりの確立で折れたのですが
途中からボルトの材質変更があって固着しにくくなっていたので
久々の「ポキッ」です(泣)
ネジ穴の修正に入ります。
この5mmの折れたボルトのセンターにゆっくりと
穴を開けていきます。
センターから大きくずれると、それは位置がずれることを意味し、
排気管の取り付けができなくなりますので、
すごく時間をかけて作業します。
このボルトが生のステンレスでないことを
いつも感謝しながら作業します。
生のステンレスなら・・・シリンダーブロックを
交換してほしい。
タップでネジ溝を切りなおします。
高馬力の船外機なら、これほど時間をかけてきっちりやったら
正当な修理代がもらえますが、2馬力の為、実質赤字みたいなものです。
修正完了です。
やっとガンの部位の除去に入れます。
新しい部品の取り付けには、液体パッキンを使用します。
交換する部品はせっかくなので、現行のBF2DHで
使っている錆びないバルブカバー(タペットカバー)を
選択し、取り付けました。
さらに耐熱塗料を塗布し、ボルトを含めた
耐久性をUPしておきます。
さあ、完成が近づいてきました。
各部を磨きながら組み立てていると
「ああっ!!」
ハンドルの穴と重なる位置で、スロットルケーブルの
被覆の破れを発見してしまいました。
在庫が無かったので、すぐに部品を発注します。
「部品が来るまでSTOPや・・・」
でも、見落とさなくてよかったです。
できるだけ磨いてお返しするようにしていますが、
たまにこういった見落としから救ってくれます。
なぜか?ギヤオイルですが新品が入っていました。
交換不要はスパークプラグ(イリジウムなので)だけだとカルテに書いてあります。
私、昨年末に交換していたのか?
これならそれで、ある意味恐ろしい。
悩んでおります・・・・・・・
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