聖なる封印を解く・・・
皆さま、ご機嫌はいかがでしょうか?
徐々に修理預かりが増えてきまして、作業用の船外機スタンドが
ギリギリになってきております。
近く一旦修理お預かりをSTOPするかも・・・しれません。
修理が終わったものは、ご連絡後は1週間以内にお引き取りいただけると
助かるのですが・・・
さて、昨日、お預かりしていましたMFS2Bの修理が
完了しました。
症状はキャブレターのオーバーフローホースから
燃料が漏れ続けて、20分でタンクが空になってしまうと
いうことです。
海にガソリン漏らしたまま走っていた?
分解していくと・・・
ここにこんな感じであるはずのエンジンオイルドレンの
アルミワッシャが入っていませんでした。
私、外した時に「んっあれ~」ってなったのですが、
念のためエンジンオイルを受けている皿のオイルの中とか工場の床を
必死で探しても無かったので、知らず落としたのでもないようです。
「よく漏れずに止まっていましたな。」
燃料フィルターに携行タンクの塗膜がはがれて付いていました。
たまに居られますが、もう携行タンクは買い替え時期のようです。
ということは、燃料タンクの中身はと・・・
携行タンクから出たと思われる錆の粉でいっぱいです。
これでは、自分でキャブレターを汚して壊しているようなものです。
次は、キャブレターの分解に入ります。
あれ~
右が付いていたフロートで、
左が他の正常なキャブレターのフロートです。
(確認の為、他のも分解して比較した)
ニードルバルブの押さえ金具がえらい曲がっているような・・・
どっちが正しいか、一旦作業を止めてマニュアルを見ます。
で、計測し調整してみます。
やっぱり、異常に曲がっていたということですね。
なんでこうなったのか、電話してお客様に確認します。
何々、ふんふん、そうですか。
ご自身で直そうとフロートチャンバーを外したそうです。
その時大きく曲がったのでしょうか?
自分でもよく見つけたと感心します。
なら、ニードルバルブは閉じることが出来ず、
オーバーフローするので理屈には合います。
あと、バルブ(タペット)カバーも外した??・・・
ひょっとしたら、タンクの錆とかキャブレターとか
人為的なミスがほとんどの原因?
とりあえずキャブをクリーニングのち仮組して試運転します。
あれ、エンジンが掛かりません。
火花は細々飛んでいるようなのですが・・
以前他のお客様のを交換して捨てる予定の古いスパークプラグが
転がっていたので、交換したら一発始動しました。
う~ん、調子悪いです。
20~30分試運転しますが、
スパークプラグが真っ黒になります。
キャブをクリーニングして、また仮組して・・
20~30分試運転しますが、
う~ん、まだ調子悪いです。
最後の手段です。
聖なる封印を解きます。
クリーニング&微調整後に
またまた試運転を実施します。
なんとかなってきたので、やっと部品の選択&オーダーが
出来ます。
少々調整要ですが、キャブは交換せずに済みそうです。
専門の学校に行っていたとか、昔バイクのレースに出ていて
エンジンの専門知識があるとかなら別ですが、
むやみに触ってしまうと原因にたどり着くのに時間がかかり
工賃が高くなってしまうことになりかねません。
今回は何回も何回も試運転して、もう大変でした。
・エンジンオイルの交換は頻繁に。
・ガソリンはきれいな新しいものを使う。
・長期に使用しない場合はキャブ内のガソリンを抜く。
・係留の場合は防蝕亜鉛を頻繁に交換する。
すべてのお客様が100%実施されましたら、たぶん、
船外機の故障は半分以下になると、いや
個人的には1/3以下のなるのではと思っていますが、
「あら大変、私の給料も1/3になってしまいますわ」
と、思いたいところですが
寒くなって来ても、こんな小汚い、愛想のない
場末のショップなのに修理預かりは増える一方です。
本日はこの辺で・・・
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