直径の太さの違いとBF150AK2の鬼加速
皆さま、ご機嫌はいかがでしょうか。
本日は午前中から新品BF2DHの納品や修理機の預かりなど
ありまして、バタバタいたしました。
で、昼食後は今週初めからの疲れが出たのか、
30分ほどZZZZZZZZZと船を漕いでおりました。
そう、今週もすごくハードな2泊3日の出張作業のスタートでした。
お別れに行けず、ハートブレイクなスタートでもありました。
ハードなので3日間助っ人Aさんにも同行してもらって・・・
まず1日目のミッションは「ハンドルが重いのを何とかしてほしい」でした。
中古でボートを買ったが、他社250馬力のハンドルが重すぎて・・・
いつものユニカス工業の頼りになる営業Iさんに相談します。
「なになに、現在のシリンダM型が・・・Y型が・・・」
なんと調べてもらうと、シリンダーが30か32のようです。
う~ん、何もなくても、重いはずです。
ひょっとしたらグリスの種類の入れ間違いとか塩噛みで
首振りも重くなっているかもしれないですし。
なのでパワーのあるMHS-36VXをオーダーして交換しました。
新しいのと古いので、シリンダー直径の太さが全然違います。
(この写真だと、肉眼ほどはっきりわからない???)
ひょっとしたら2スト200ぐらいが付いていたまま
船外機だけ4スト250馬力に換装していたのかもしれませんね。
きれいな船なので、慎重に交換作業を進めます。
狭い船内を工夫してホースも入れ替えて、
何とか1日で作業を終えることができました。
有難う営業Iさん、軽くなったよ。
次の日は2スト175馬力の付いていた重めの25ftボートに
BF150AK2を換装する作業です。
こちらはメカニカルステアリングだったのですが、
主機換装のついでにユニカスMHS-32VHもセットさせていただきました。
油圧操舵機をセットし、船外機のレスパーツを付けていたら
BF150AK2が届いたので、他の作業を中断して
主機のセットを行います。
私が絶大な信頼をしているBF150AK2君。
いつも運転4000時間を軽く上回る耐久性と、
どんなに重いボートも瞬間に立ち上げる加速装置BLAST
4900rpm以上でぐんぐん伸びる可変バルブシステムのVTEC
クルージング回転域で稀薄燃焼節約運転するECOmo
クラスでも排気量が小さい方ですがパワーは負けず、
クラスでも排気量が小さい方なので燃費が良い、
そして壊れず・・・
ちなみに充電容量(発電量-自己消費量)もクラストップです。
しかし・・・ボートの所有者さんは、商談中から
少し不安を隠せず・・・
「2スト175から4スト150の換装」
言葉では言われませんが、ずっと顔に書いてあります。
「走り、大丈夫なの???????????」
商談中から「最高速は落ちますよ、それなりに」
「最高速は落ちてもいいんです・・・・・・・」
すいません、不安なんですね。
私の心は、余裕なんです、すいません、絶大な信頼がありますから。
で、2日目は18:30まで作業して、終わりました。
3日目は朝から、残りの艤装を終えて、各部ミス無いかチェクし、
試運転に入ります。
いつもは私とAさんの2人ですが、
本日は不安なオーナー様も飛び乗られて出航しました。
あて舵をしないとまっすぐに進まない強風です。
ウサギが飛んでいます。
釣りなら出ません。
試運転は、待ってくれません。
徐々に加速をさせて、各部問題ないか確認します。
オーナーの不安もほんの少しですが、緩くなっているようです。
その不安を完全に払しょくしていただくため、
「急発進しま~す」と宣言します。
いつも一緒に乗っていて、何を意味するか知っているAさんは
腰を落とし、ハンドレールをキツく握ったとのことを
後で知りました。
オーナーは、片手をポケットに立ったままです。
完全に停まっていたボートのリモコンボックスは
私の右手によって垂直から水平まで一瞬で90度倒れました。
と、その瞬間、
加速装置のBLASTが点火時期を最高加速モードに可変し、
インジェクターはこれでもかとガソリンをぶちまけ噴射して、
BF150AK2は、たぶん、もともとの175馬力を大きく超える
鬼のような加速を開始しました。
オーナーは予想外の、今までになかった加速にボート後部までぶっ飛んでいきかけ、
その途中でAさんに片腕をつかんで助けてもらったそうです。
(Aさんの帰り道談)
私は「急発進しまーす」と宣言しているので、まっすぐ前をみて
BF150AK2の最高の加速を堪能していました。
ひゃー、最高。ブインブイン~
海面一面あちこちにぴょんぴょん飛びまくっている白波ウサギを
まるでひき殺し虐殺するかのように、ボートは船首を小刻みに振りながら
ウォォォォ~加速をやめません。
そのうちVTEC領域に突入し、バルブが可変し、さらに伸び続けます。
完全に、オーナー様、完全に笑顔です。
帰港の途中でオーナー様の上司様から電話がかかって来て
走りの事を聞かれています。
「全然大丈夫」と答えておられましたよ。
マリーナへ帰って、取扱説明を実施して、
「説明書通りにきっちり使ったら、滅多に壊れません」と言って
帰路に付きました。
こんなコロナ過中なのに最高に気分の良い納品/進水式をさせていただきまして
買っていただいたお客様には本当に感謝です。
良いものを作ってくれた細江工場の人にも感謝です。
設計し、日々改良をしていただいている方々にも感謝です。
「売らないと見捨てるよ」と無言の圧力をかけてくる
メーカー営業様には、いつもプロペラ選択のご指導もいただき
本当に感謝申し上げます。
さて、次に納品(セット)するのは、何でしょうか?
予定では・・・
その前に、BF90DK0とBF150A4の2台の定期点検も
入っております。
忙しいおかげで親友が亡くなったことの気も紛れています。
では、本日はこの辺で。
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