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水没復帰・・・・・・・・・・・・

皆さま、ご機嫌はいかがでしょうか?

本日は開店と同時に船舶検査や船外機の冬季点検、修理の

お引き取りラッシュで、一時はご来店が重なってしまって

お待たせしてしまったりご迷惑をおかけいたしました。

申し訳ございません。

(密にならないようにシャッターは全開でしたよ、寒いけど)

前回のブログで私が修理満タンで作業台もスペースも無くて

受付をSTOPしているのを読んだと、気遣って早めに

お引き取りに来ていただいた方もおられまして、

大変有難うございます。感謝でございます。

さて、水没復帰のBF2DHをお預かりしました。

何やら波打ち際で倒して砂&海水まみれにしてしまったと・・・

リトルボートさんまたはY原さんの売っておられる大きな

グリップが付いていますね。

DSCF2285

「倒した直後は掛かっていたんですよ」とのことですが、

現在はロックして、そのでっかいグリップが引けません。

決してエンジンを掛けたまま水没したのではないということです。

お客様は無理に引こうとされるので、

「傷口が広がることもあるのでやめしょう」と言って

お預かりしました。

水没機なので、早い方が良いと他の仕事を止めて

分解にかかります。

エアクリーナーを外すと、ブローバイホースから

エンジンオイルが白く「ひらひら」パンチラしています。

DSCF2286

後から考えたら、海水が入っただけなら乳化しないので

ここで「えっ!」と、なるべきだったのですが、

「倒しただけ」という先入観でスルーして進めました。

キャブレター内に塩水と砂が入っていました。

「出来たらキャブのアッセンブリー交換は避けたい」

DSCF2287

キャブレターを分解し、ソルトターミネーターを混ぜた

薄め液を作って、漬け込みます。

DSCF2289

これで、うまくいけば奥のガソリン細道が

塩の結晶で塞がれての「キャブレター丸ごと交換」を

避けられるかもしれません。

安全停止スイッチには、雨水や結露した水が排出される為の

ドレンの穴が開いています。

エアを吹き付けると、ブシューを海水が出てきました。

DSCF2291

何度も掃除して防錆剤など吹き付けておきましたが

電気系は後日、タタる可能性が否定できません。

クラッチベアリングも非水しておりました。

これは、後々祟ると厄介で「航行不能」になるので

DSCF2293

交換することにします。

その後、久しぶりに全集中(ゾーン)に入って

写真を撮ることも何もかも忘れて、コツコツと

分解→防錆処理→分解→防錆処理をしていたのですが、

シリンダーバレルを分解したとたん、我にかえってしまう、

「あああああああああああああっあっ~あん!!」

まるで、ターミネーターが「あいるびーばっく」とか言いながら

溶鉱炉に沈んでいくシーンのような・・・

絶対に見えるはずのないコンロッド大端がオイルの海の中に半沈み・・・

DSCF2294

一気に集中力のメモリはゼロまで下がり、

やる気スイッチはOFFに切り替わり、

「言ってよ~」と叫んでいました。

DSCF2297

推測はこうです。

倒した時点では単に海水が侵入したままだったのですが、

①運悪くクランクシャフトとコンロッドの大端結合部に隙間に

海水が履いて油膜が無くなり、

②さらに運が悪く、キャブに水が入っていたのに

中途半端にエンジンが掛かったので、ブンブン回してしまって

③クランクシャフトが焼き付き、④コンロッドはカジってしまって

そのうち隙間が大きくなって大幅に遠心運動をすることで

⑤コンロッドがクランクケース内壁に衝突し、コンロッドが折れて

さらに内壁を破壊・・・

⑥当然、ピストンとシリンダー内壁も傷だらけです。

私は、弊社で売っている新品の50%を超える修理代の場合は

直ぐに修理をせず、どうするかお聞きすることにしています。

お客様、すぐにご返事されず、1時間ほど考えた後、

「新品を買います」とご連絡をいただきました。

賢明だと思います。

修理しても、まともに再使用できるのは、下半身だけです。

上半身は工場のさながら私が1から組み立てをして

作らないといけないので、工賃も高くなります。

DSCF2298

これらの部品はお持ち帰りになられるということで

サービスで箇所別に仕分けして、防錆処置をしておきますね。

あっと、BF2DHは在庫ありそうですので、

直ぐにご用意できると思います。

やはり、水没の場合は水洗いだけして、エンジン掛けたりせず

そのまま購入店にお持ちになる方がいいという例になってしまいました。

取扱説明書に書いていることは、正しいですね。

今回は少し悲しい結果となりました・・・・・・・・・

 

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