売ったら最後!
皆様、ご機嫌はいかがですか?
今日はとあるメーカーさんが市場調査で来店され、
今さっき帰っていかれました。
こんな場末のお店にまで、わざわざ調査ご苦労様です。
ご来店有難う御座います。
さて、先日の台風21号で水没した国産船外機が「ごねて」おり、
苦労しております。
来たときは・・・
ECUの防水カプラーが海水に突破されていて、びっくり!
えらいことになっていました。
ここは通電させる前に、真っ先に処置いたしました。
先に通電させたら・・・
セルモーターも予想通り、浸水。
これはOHで復活。助かりました。
引上げ後、6日を陸上で過ごしたので、
キャブレター内は塩、塩、ソルト、塩化ナトリウム?・・・(泣)
多分、翌日か翌々日の持込なら何とかなったのですが。
キャブクリーナーもソルトターミネーターも効果が無かったようで、
キャブレター専用掃除ピンで通路を突きまくります。
昨夜、3回目の分解清掃をしました。
塩で詰まると、手の施しようがありません。
これでダメなら、キャブレターASSY交換を
お客様に進言することになるでしょう。
さて、先日フルOHしたBF130AXの続きです。
すでに納品済みで、海原を疾走していると思いますが、
未掲載の写真で説明を。
BF130A/115Aは、20年以上前に世界初の電子制御燃料噴射船外機として
世に発表され、約8年前に発売されたBF115Dにバトンを渡して
生産を終了いたしました。
当時はパソコン診断機が無かったので、自己診断機能というシステムが
搭載されています。
エンジンだけでやってきたので、うちのテスト用インジケーターを
接続し、自己診断しました。
各部センサー/ECUに異常はありませんでした。
エンジンブロック内部の冷却水路に、合計5個の
防食亜鉛がついています。
現在現役の機種の多くは防食亜鉛を交換するとき、
フタを「パカッ」と開けて簡単にアプローチできますが、
BF130Aのは、少し面倒です。
まず、インテークマニホールドを外して、
2個の防食亜鉛(アノード)を交換します。
金属だったアノード(亜鉛)がトロトロに溶けています。
「ちゃんと犠牲になって本体(アルミ合金)を守ったんだね!」
う~ん、泣けてきます。
取り外そうとすると、砕けてサラサラ粉に変りました。
「あなたのことは、一生掛けてお守りします」
人間の男性とは違って、長年本体を守り通して
役目を終えました。アーメン♪
インテークマニホールドの内側には、オイルクーラーがあり
ここにもアノードが1個ついています。
こちらも、寿命を全うして(しすぎて)いました。
交換時は、きれいに清掃を行うことも重要です。
今回のように長年交換せず、ボロボロになったやつは
破片を残すと、水路で詰まってオーバーヒートの原因に
なるケースがあります。
私は掃除機で吸いながら、砕いたり磨いたり清掃をしています。
トロトロに溶ける前に交換すれば、掃除は簡単で良いのですが・・・
ブロック反対側には、排気管の外側を冷却する
「エキゾーストウォータージャケット」があり、
そのカバーの内側にも、アノードが2個ついています。
まずプラグコードなど電装品をどけて、アプローチを
し易くします。
現行のBF150AやBF50Dは、このエンジンと比べると
アノード交換し易くなっているので、それらに慣れた体が
久しぶりのBF130Aにヒーヒー言いながらの交換です。
特にウォータージャケットカバーを留めている
一番下の2~3本の6mmボルトは、メガネ、スパナ、
小型ラチェットなどを駆使し、やっと外せます。
(近くのエンジンフードのロック機構を先に分解しておく)
「ふひょ~」
サーモスタットは・・・すでに黄泉の国に旅立っていました。
「・・・・・ご臨終です。」
いつから死んでいたのでしょうか?
聞いても、答えてくれません。
その間ずっとオーバークールだったということですね・・・
オーバークールのまま運転を続けると、
オイルダイリューション等が発生してエンジンに
大きなダメージを与える可能性などが考えられますので
ご注意を!!
サーモスタットは定期的に交換してください。
私が管理を任されている船外機達は、
大体2~3年おきに交換をしております。
この作業をさせていただいたBF130AXは1998年のモデルで
約20年を経ていましたが、圧縮もバリバリで
まだまだ使えそうでした。
しかも係留保管ということだったので、
少し、驚きました。
また、耐久性が証明されたということでしょうか?
「おかわり」がなかなかもらえません、Honda船外機。
売ったら最後、20年おかわり無しなんですぅ~(笑)
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