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保証修理

皆様、ご機嫌はいかがでしょうか。

春にご友人同士でそろってHonda BF5DHを買っていただいた方々が

初回点検で持って来られました。

但し「沖で再始動が難しいときがある」とのことで

宿題つきです。

数日、作業の合間にあれこれ確認しながら進めていきますが

再始動不良が本当か、本当だとするとどこに原因があるのか

燃料系か、点火系か、他に有るのか・・・

でも幸いなことに2台同時入庫で、さらに私の所有する同型機もあるので

比較クロスチェックができます。

スパークプラグを見ますが、見るからに優等生的にきれいに焼けています。

焼け方を比較しても3台とも同じで、点火系や圧縮に関する部分に異常があるようには

感じられませんので、それらは後回しにして、

燃料系から攻めることにします。

お二人とも頭上タンクで使われているので、燃料の流れは

「自然落下」+「カムシャフト連動のダイヤフラム式燃料ポンプ」で

キャブレターに燃料が供給されることになります。

燃料ポンプ手前で燃料ホースを抜いたのち燃料コックを開けると、

そこまでは「自然落下」で、ゆっくりガソリンが流れてきます。

ご友人2台の船外機とも、ここまではほぼ同じ性能と判断できました。

次に一旦燃料ポンプをはずして中を空にしたあと再び取り付けて

コックを開けた後にリコイルスターターを引っ張り、

燃料ホースからガソリンが噴き出すまでの引っ張り回数を比べます。

片方の船外機は約5回目で燃料が吹き出しましたが

片方はかなりの回数が必要でした!

「はっきりした変化を発見?」

次に私の船外機の燃料ポンプをそのエンジンに取り付けて同じテストをすると

5~6回で吹き出しました。

同じようにご友人の船外機の燃料ポンプをお借りしてテストしますが

5回目で吹き出します。

逆に、かなりの回数引っ張らないといけないポンプは、ご友人の

船外機に取り付けても同じように、かなり引っ張らされます。

「ええっ、犯人ほぼ確定やけど、こんなことある?」

ちなみにいったんポンプの中までガソリンを満たしてからのテストは

どれも問題が無いように、同じように吹き出します。

「燃料ポンプでこんなこと、しかもほぼ新品では初めて」

何が起こっているのか興味があって燃料ポンプを分解しますが

ダイヤフラムの破けも、異物の詰まりもなく、再度組みなおしてから

再テストしますが、まったく同じことが再現されて。

「君は性能が低いので交換です」

まだ買って1年未満なので、メーカーさんに伝えたら

保証修理になるでしょうと認可を頂きました。

(最終は新品部品に交換後、この部品を送ってメーカーで精査していただき、

報告の通りであれば保証修理認定が確定します)

たまには、こんなことあるんですね。

文章に書いたらこれくらいですが、どこが悪いとか

どういったテストをすれば発見できるかも、とか

微熱の中でうんうん数日悩んだ甲斐が有りました。

これ発見できなかったら、オーナー様また沖でエンジンが

再始動しづらかったと思います。

ここからは完全に私の推測ですが、運搬時は横倒しなので

ホースのガソリンがポンプの方まで流れて

朝の始動は普通にできた?のですが

運転したのち停止して、シリンダーの余熱でホース内のガソリンが気化した時

ポンプの吐出量が微妙に弱くて新たなガソリンを送り込むのに

何度も何度もひっぱら無いといけなかったのでしょうか。

良く見つかったな。

運がいい?日頃の行い?それともオーナー様が強運?

でもオーナー様にご迷惑をお掛けしたことは

ゆるぎない事実です。

大変申し訳ないという、保証修理の話でした。

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