「吟じますっ」
皆様、ご機嫌はいかがでしょうか?
今週末はF1鈴鹿GPです。
レッドブルを飲んで、応援しております。
たぶん本田技研工業㈱の社員の皆様も
Honda Carsの皆様も
Honda Marine販売店の皆様も
レッドブルをがぶがぶ飲んでおられることでしょう。
がんばれ、ガスリー&ハートレー!
さて、溜まった修理をハイピッチでこなしております。
まずはHonda BF2D4とBF5Aを同時にご依頼で入院。
「2台で予算〇〇円ぐらいで収まれば」とのことで
「整備だけだったら収まるのでは」と言ったのですが・・・
まずBF2D4ですが・・・
キャブレターのチャンバー内が、塩まみれです・・・
キャブの交換をしたら予算オーバーなので
最低部品の交換で、何とか。
内部カバーがきっちりはまっていません。
プロなら、こんなミスしないので
たぶん、ご自分で分解したことがあるのでしょう。
次はBF5A、ギヤオイルが白濁してたので・・・
オイルシールを打ち換えしました。
たぶんこれで大丈夫でしょう。
来たときにエンジンは掛かるのですが、オーバーフローします。
保管中にガソリンを抜かなかったようですね。
ここまでは想定内。
あとインペラーを交換しますが、意外ときれいで
他の部分と部品の古さのバランスが???
サーモスタットは「最近交換したので、交換しないで」
とのことで、そのまま触りません。
さて、エンジンを始動します。
「あれっ」
エンジンは一発始動ですが、検水口からの水が
しぶき程度で、だんだん水蒸気に変わってきます。
(あせっていたので写真撮るのわすれていた・・・)
エンジンブロックを触診します。
「ああああああああっ、オーバーヒートするっ!!」
赤外線温度計が要らないぐらい、はっきりわかります。
「あかんあかんっ」「緊急停止~」
インペラー周りを丁寧に点検したし、
新品のインペラなので余計あせります。
サーモスタットを点検しますが、確かに新品が入っています。
エンジンブロックを降ろすしかありません。
「あちゃ~」
試運転のあと、次のお客さんのエンジン修理に移る予定だったので
半泣きです。
ブロックを分解しながら、インペラーが比較的きれいで
「サーモスタットは新品なので交換しないで」と言われていた
納得がいきました。
「吟じますっ!!」
「不調ならぁ~先に言ってよぉ~オーバーヒートォォォ~」
シリンダーブロックを外したら、水路の外側ですが
インペラーの破片を発見。
おそらくサーモスタット周りにあったやつを掃除したとき
ぽろっと落ちて隙間に入ったのでしょう。
ウォーターパイプを外したら、
「やっぱり・・・」
インペラーの破片が詰まってふさがっています。
長期間交換をしなかったり、ゴミを吸ってインペラーの羽根が
バラバラになった場合は、破片を全部捜索しないといけません。
当たり前ですが、詰まったままインペラーだけ変えても
オーバーヒートは直りません。
サーモスタット自身に至ってはオーバーヒートの原因に
なる確立は、意外と低いです。
(Honda船外機で使用しているサーモスタットの場合です。
寿命で壊れてオーバークールのまま走っている人は、意外と多い)
破片を丁寧に取り除きます。
通路が開通し、穴が見えてきました。
「対象腫瘍、摘出終了!」
このあとヒーヒー言いながら頭(ブロック)を再接続し、
液体ガスケットが乾く時間が必要なので一旦終了。
この日の目標だったもう一台に掛かります。
苦労した私を神様は見放さなかったのか、
折れると思っていたボルト類が奇跡的に全部はずれ、
こちらも液体パッキンの乾く時間を待つところで終了。
日が変わる前に家に帰れました。
今日は試運転から開始で~す。
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